Suomi Morishita 1st ALBUM  "Ein." Recording Archive

Suomi Morishita 1st Album "Ein"  featuring Strings Trio/Recording at SPinniNG MiLL   TMT-001/Tomte's Records/Suomi Morishita (Guitar,Electronics) Shinichi Hada (Violin,Viola) Yuu Miyata (Cello) Takanori Suzuki (Clarinet,Bass Clarinet) Riko Matsuoka (Celtic harp) Ayuko Ikeda (Percussion) Shinya Fukumori (direction)

Recording at   "SPinniNG MiLL"

2020.8.1-2 レコーディングを行った場所は大阪堺市の"SPinniNG MiLL"という明治後期の紡績工場の跡地で建てられてから100年以上も経つ歴史的な建造物の中で行われました。
とても響きがよく、弦楽器を録るには最適と考えレコーディング場所に決めました。通常のレコーディングスタジオと違い外部の音が入るので、録音について賭けではありましたが、録音日は2日間とも静かで助かりました。

"SPinniNG MiLL" 

https://www.spinningmill.info 
大阪府堺市堺区並松町45

tel & fax 072-242-6894

Recording         1Day / Setting

2020.8.1 レコーディング1日目 
前日に梅雨明けし澄み渡る晴天で最高のレコーディング日和となりました。
朝から機材の搬入&セッティング。
エンジニアはK.stationの南川氏(鬼軍曹と呼ばれている) いつもお世話になっている鉄人エンジニアに機材全持ち込みでお願いしました(すいません) 
そして今回は記録用に映像撮影チームも入ってもらいました。芦屋の老舗Video production "Barnet"さんです。尚、Barnetが制作を手がける今回のCDの楽曲を使った短編映画も発表される予定です。こうご期待! 
この日のサウンドチェック時に2歳になったばかりの姪っ子が遊びにきてくれました。不思議そうに見ていましたが、進ちゃんがアンパンマンマーチを弾くと喜んでいて、可愛くて緊張が少しほぐれました。 

ちなみにこの日ミラクルが起きまして。 録音会場のスピニングミルは紀州街道という古い街道沿いに建っているのですが、そこが意外と車通りがありすこし騒音が心配でした。 
録音日の数日前になんとかならんかなと近くにある小さなお寺に行きお賽銭を¥500入れ、なんとかしてくださいと祈願。 なんと!当日その道が下水管工事のため通行止めになり、車が全く通らず、工事の音もなくとてもしずかで、、、真恍浄懾瑞法龍人さまありがたや。。

Recording          1Day / REC

2020.8.1 Strings Trio Recording 
午前中からのセミの声も止み、セッティングも終わりいよいよ録音開始です。初日はStrings tiroのみでの録音。この日のためリハーサル合宿したりしてサウンドを作ってきました。
建物の響きが素晴らしく、緊張もありましたが気持ちよく録音が進んで行きました。 無駄にテイクを重ねることなく、新鮮な空気の内に良いテイクが録れていきました。 
梅雨明けとはいえ もう夏本番、録音時は空調が使えませんから(エアコンの音が入ってしまうので)日中は暑さとの戦い。弦楽器は気温に敏感なので、特に気を遣います。 
この日はトリオで4曲、そして僕のソロで1曲の計5曲を録音。。 
僕はソロでひっかかります。次項で、、、 

終わってから進也さん進ちゃんと近くの居酒屋に呑みに。 なんとか一日目が終了しました。


Recording         1Day / Solo

レコーディング初日 一番苦戦したのがGuitar Soloで録ったこの一曲だったと思います。 レコーディングスケジュール的に長時間になるので、他のメンバーを休ませつつ作業を進めたいので一曲ソロで録る事にしました。 
ただ録音を開始した時には多分 心の準備ができておらず数テイク重ねても良いのが録れずで、心が折れかけてしまっていました。 今回のアルバムでディレクションを務めてくれた福盛進也さんがレコーディング立ち会ってくれたので、彼と色々話ながら構成などを再調整し、もう一度録音へ。 
二度ほど序盤でひっかかり録音を止めましたが、何かが掴めそうな雰囲気がし、深呼吸の後 再度録音へ。 
"じっくり自由に自分らしい音をだそう"そう決めて挑んだラストテイク。個人的には何かに導かれるように自然体で演奏でき、何も飾らない今の自分自身が表現できたと思っています。 

アルバムタイトルにもなった"Ein"是非聴いてください。 

Recording         2Day / Setting

2020.8.2 レコーディング2日目。
この日はフルメンバー6人による録音。前日の倍以上の機材や楽器が入っています。軍曹のマイクセッティングが大変そうでしたが。。僕はこんだけの楽器と機材があるだけでもうワクワクが止まりませんでした。前日の色んな重圧から解放されて この日は本当に楽しかった!  
池田安友子さんの魔法のようなパーカッションや、鈴木孝紀さんのやわらかなクラリネット、松岡莉子ちゃんの煌くケルティックハープなど、サウンドチェック中から夢のような空間ができていました。  
もろもろのセッティングが終わり、2日目そして最終日の録音がスタートします!!

Recording         2Day / REC 1

さて2日目の録音が始まりました。
一曲目はBalderという曲。アルバムの世界観を象徴する混沌とした美しさを持つ曲。 メンバーが素晴らしい演奏をしてくれて、本当に良いテイクが録れました。個人的にはこんな音楽はないだろうと思うほど、他に類を見ない神秘的な美しさの音楽ではないかと思います。 採用テイクは演奏中かなりの緊張感があり、終わった瞬間全員が『ぷはぁ〜』となる感じでした笑 
そんな感じで、録音は進んでいきます。 
全員で演奏する曲は2曲だけなので、まずその2曲を録音。あとはゲスト陣が入れ替わりながら録っていきます。 基本ストリングスセクションは出ずっぱりなので、進ちゃんと侑さんは本当に大変だったと思います(すんません)
でも二人がしっかり芯を作ってくれた
のでゲストが入った時に素晴らしい広がりが出せたと思っています、感謝!


Recording         2Day / REC 2

2日目の録音も中盤に差し掛かってきました。ここは僕のショットを中心に、、、笑 2日目の中盤以降は割とガットギターでの演奏が多かったような気がします。 ぶっ続けで作業してるので、集中力を切らさないように必死ですね。。 スピニングミルは窓からの光がとても気持ち良いのですが、夕方になると当然昼間と雰囲気が変わってきます。 日が暮れてくると気持ちに焦りもでてきます。 残り時間であと2曲録れるのか、、、そんな重圧もありながら、録音は進んでいきました。
ここが正念場です!

Recording         2Day / REC 3

録音の合間に集合写真を撮影。
窓があるとはいえ やはり室内なので、外に出ると解放的です。みんなで色々ポーズを考えます。 2日間レコーディングディレクションをしてくれている福盛進也さんもここで登場!! 
そして、エンジニアの軍曹、Barnetの映像スタッフの2人も一緒に。

素敵な集合写真が撮れました!
こういうの大事なんですよね、危うく忘れる所でした。

さて後半戦。。

Recording         2Day / REC 4

さあもうラストです。 
プレイバックを皆んなで聴いているところをGifにしました。
レコーディングは演奏してプレイバックを聴いて、また録り直したりする作業の繰り返しです。 ライブとは違い同じ曲を何度も演奏したりするので、すごくエネルギーを使います。
僕は聴きながら録音に向けて準備していた日々を思い返していたと思います。この時グッとくるものがあり泣きそうでした。  
そしてメンバー、スタッフの皆さんも最後まで走り切ってくれました。ありがとう!
本当に感動的なテイク、そしてアルバムが録れました。 

大変でしたが、ここまでこれて本当に良かった。。感謝しかありません。

ありがとうございました!!


Recording              2Day / Clean Up ..撤収

ごらんの通り、撤収がとにかく大変だったんです。。。
みんな総出で1時間以上かかりました。 録音の余韻に浸ることなく、何十本もあるマイクケーブルとかをせっせこ片付けます。 軍曹お疲れさまでした。

Recording                                                  2Day /  End

撤収が完了し、最後に皆んなで記念撮影。
長い長い旅のようでした。10年前くらいから思い描いていた音楽にようやく辿り着けた気がして感無量でした。
最後は感極まり号泣してしまいまして、、、でも今までの人生の中で一番嬉しい瞬間でもありました。 その瞬間を進也さんに撮られました 笑     

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ご覧いただきありがとうございました。

 


森下周央彌


Recording member

Senichi Hada  / violin,viola

Strings Trio 結成のきっかけになった素晴らしいバイオリニストです。彼はアラブ音楽を中心に演奏活動しているのですが、その柔軟な音楽力で様々なアーティストと共演しています。 知り合ってたぶん6,7年くらいやと思いますが、一緒にユニットを組んでいたり、プライベートで釣りに行ったりして公私問わず仲良くしています。 
弦楽器のアレンジについてもアドバイスをくれたり、今回のレコーディングにも多大な貢献をしてくれていて、彼がいてくれて本当に良かったと思っています。 
アラブ音楽からの影響でしょうか、その乾いた質感の音色と独特な妖しさのピッチ感や音使いが、西洋音楽の枠から解放してくれて、各曲がとても良い空気感になっています。 
今回ヴァイオリンだけでなくビオラも使用し、サウンドの幅を広げてくれてました。 アルバム全編を通してのサウンド中核にいる彼の演奏、ぜひ注目して聴いてみてください。

Yuu Miyata  /  Cello

チェロ奏者の宮田 侑さんとは 3年前くらいに初めてライブで一緒になり、しなやかなアンサンブル力にすごく好感を持っていました。それからしばらくは会う機会もなかったのですが、Strings Trioをやろうとした時に、チェロは是非彼女に頼もうと思い、連絡して今に至るという。 
しなやかだけども芯があり、どんな時もブレないそのスタンスが今回の録音でもとても頼りになりました。アレンジ的に結構大変なパートだとは思うのですが、長時間の録音

も集中力を切らさずしっかりやりきってくれてとても感謝しています。 
冒頭から彼女のチェロが鳴り響きますが、アルバム全体を通して 前にでたり後ろで支えたり縦横無尽にその音が響いています。 ヴァイオリンと共に奏でる、弦のサウンドはアルバムの中核をなすもの。その美しくしなやかな音色を感じて頂ければと思います。


Riko Matsuoka                                                    /Celtic Harp

今回のアルバム制作にあたり、特に拘りたかった弦楽器のサウンド。その中で僕の中でずっとあった"音"それがハープそれもケルティックハープの音。
高校生の時に買った あるケルティックハープ奏者のCDがとても印象に残っていて、将来的に自分が作る音楽にそのサウンドを入れたいと兼ねてから思っていました。 松岡莉子ちゃんと出会ったのは5,6年前だと思いますが、しばらくスコットランドへ音楽留学に行ってしまったので、なかなか一緒に演奏する機会がなかったのですが、最近留学から帰ってきて、タイミングがあったので録音に参加してもらって本当に嬉しく思っています。 
4曲参加してもらっていますが、Tomte's Room という曲でフィーチャーしています。 莉子ちゃんの 素朴で美しいハープの音色はこのアルバムに新しい風を吹き入れてくれています。 オーバーダブの為に4時間くらい待ってもらってしまって、本当にごめんなさい。。でもお陰ですばらしい仕上がりになりました。

Ayuko Ikeda                                                             /Percussion

パーカッショニスト 池田安友子さんは長年憧れていた存在で、2019年に初めて僕のリーダーライブにお誘いし共演が実現できた方。 もうずっと一緒にやりたくて7,8年くらいタイミングを見計らっていた 笑
その的確なリズムと音選びのセンス、そして何より一緒に音楽に深く潜っていってくれるその優しさと冒険心がとても楽しく、尊敬して止まない最高のアーティストです。 
このアルバムのサウンドの肝。様々な楽器(音がなるものすべて)から繰り出される多彩な表現は アルバムの曲たちに寄り添い、また 新たな一面を引き出してくれました。
よく聴くと細部のほんとに細かいところまで色々な音がします、是非じっくり聴き込んでほしいです。 
 

Takanori Suzuki       /Clarinet

クラリネットの鈴木孝紀さんは出会って10年くらいになるんですが、このアルバムと言うか こういった音楽をしたくて一番最初に声をかけた人なんです。 当時クラリネット奏者を探していて 孝紀さんのソロライブに聴きに行きました。そこで素晴らしい音色で演奏されていて、このアルバムのインスピレーションの源流が起こった気がします。 声をかけてからしばらくして一緒にライブをしてもらい、それからずっとお世話になっています。自身グループや多方面でも絶大な人気ですが、頼れる兄貴的存在としても、僕の音楽にはなくてはならない人です。 
このアルバムでも素晴らしい演奏をしてくれています。 中でもValö というBass clarinet をフィーチャーしている曲でのプレイは圧巻です。 
孝紀さんの美しく暖かなクラリネットの響きは必聴です。